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昨日、元自衛隊員の佐藤正久議員の会見が自由報道協会で行われた。私は、年間100mSv以下の被曝は健康に問題がないとする山下俊一福島県医科大学副学長の従来の説明が訂正されることなく、福島では生きていることによって、地元の混乱が継続していることを指摘した上、山下氏の当初の発言が間違っていることを福島県民に周知できないのか、という趣旨の質問をした。
しかし、地元議員であるにもかかわらず、佐藤正久氏は、山下氏の見解を修正する必要性すら認めず、現時点では影響は分からないので、継続的な検査を続けるしかないという趣旨の回答にとどめた。佐藤議員は、モルモット扱いではないと付け加えたが、発言を聞いた方は、どういう印象を持たれただろうか?(※2)
※2 ニコ生 http://live.nicovideo.jp/watch/lv88136294?ref=top&zroute=index
IWJ http://iwj.co.jp/wj/open/archives/10253
山下氏は、通販生活でのインタビュー(※1)で、①100mSv以下の健康被害については科学的には分からない、②放射線防護のうえでは、閾値なしで低線量でも被害が出ると考えるべきである、としつつも、③県民の健康を守るためには、定期的な検査をするほかないと考えている、と答えている。これって、佐藤正久議員の回答と一致する。佐藤議員も山下氏の考え方に染まっているようだ。現地の人の健康を一番に考えるはずの地元議員、男気を感じさせる佐藤議員ですら、少しでも被曝を少なくしようと公言できないのはなぜなのだろうか。それほど、原子力村の圧力が強いのだろうか?それとも、佐藤議員も原子力村の一員なのだろうか?
※1 http://www.cataloghouse.co.jp/2012spring/yomimono/yamashita/index1.html
というわけで、ますます、山下氏の発言の訂正の必要性を感じた。
上記インタビューを踏まえた修正案は次のとおり。本日、これにて郵送する予定。
公開質問状
2012年4月13日
〒960-1295 福島県福島市光が丘1番地
福島県立医科大学副学長山下俊一 殿
弁護士・NPJ編集長 日隅一雄
冠省 当職は、News for the People in Japanというインターネットサイトの編集長を務めている弁護士です。先日、福島県において、年間100mSv以下の被曝については健康被害が生じないという貴殿の福島第一原発事故直後の説明をいまだに正確だと信じている人が多数おり、それが原因で、家族の将来について科学的知見に基づく判断がなされなくなっていることを知り、そのような誤解を解くためには、貴殿が当初の説明が正確ではないことを表明するしかないと考え、本質問状をお送りすることとしました。
貴殿の当初の見解がどの文献や調査結果に依拠するものか、明らかではありませんが、国際放射線防護委員会(ICRP)のパブリケーション99は、低線量被ばくの健康への影響をまとめたもので、2004年10月にICRPによって承認されたものであり、現時点で、貴殿もパブリケーション99を否定されることはないと思われます(もし、貴殿がパブリケーション99の見解を否定される場合、その理由と依拠する文献や調査結果を明らかにしてください)。
そのパブリケーション99では、疫学的(これまでの症例に基づく統計的)なアプローチ、放射線がどのようにDNAに影響を与えるかという細胞学的アプローチ、動物実験に基づくアプローチがなされています。
このうち、細胞学的アプローチについては、「現在のところの線量と、時間-線量の関係についてのメカニズムと定量データの理解は、低線量においては直線的な線量反応関係を支持する」(日本アイソトープ協会翻訳版:総括(e))という結論です。つまり、年間100mSv以下でも比例的に健康被害が生じることを裏付けているという結論です。
動物実験に基づくアプローチの結論は、「早期のイニシエーション事象は、細胞遺伝学的損傷の誘発に相当するように思われる。この考えでいくと、低線量域ではメカニズムの議論から直線的な反応が支持される」(日本アイソトープ協会翻訳版:総括(f))というものです。つまり、年間100mSv以下でも比例的に健康被害が生じることを裏付けているという結論です。
残る疫学的なアプローチは、低線量の場合、さまざまな要因によって数値が影響するために、結論を出しにくい状況にあることは間違いありません。しかし、科学的には、10mSv単位でも健康被害が出ているというデータを無視することはできません。
そのデータの一つは、X線骨盤計測によって体内被ばくした胎児に関するものです。日本アイソトープ協会翻訳版の(48)では、「15歳までに白血病及び固形がんで死亡する相対リスクは約1.4となることが知られている」としたうえ、(49)で、このデータのレビュー論文の結論を紹介しています。その結論は、「事実を総合的に考えると、胎児被ばくは小児がんリスクを増加させ、リスク増加は10mGy(mGyは、mSvと読み替えられる)オーダーの線量で起こり、このような状況下での過剰リスクは1Gyあたり約6%である」というもので、10mSvでリスクが増加する可能性があることを認めています。
もう一つのデータは、胸部X線撮影を繰り返し受けた女性に関するものです。日本アイソトープ協会翻訳版の(52)では、「前項ほど直接的ではないが、若い女性で1回平均10mGyオーダーの胸部X線撮影を繰り返して受けた結果、高い累積線量になったために生じた乳がんリスク増加の例がある」としています。
結局、現在の知見からは、理論面(細胞学的アプローチ)及び動物実験からは、100mSv以下でも健康被害が出ることが裏付けられており、統計面(疫学的アプローチ)からも、それを裏付けるデータがある、とするのがパブリケーション99の結論です。
これを受けて、ICRPは、「全体としての事実は普遍的なしきいの存在を支持しない」と明確に述べています(日本アイソトープ協会翻訳版:総括(h))。
この「しきいの存在を支持しない」とは、比例関係が低線量のどこかで中断し、それ以下では、損害が生じないという限度があることを支持しないという意味であることは明らかです。
つまり、ICRPも、現在の科学的知見では、年間100mSv以下でも健康被害があると考えていることははっきりしています。
なお、ICRPは、低線量域においては、2~3Gy(Sv)レベルの線量域の危険性を2分の1として比例的に考えられるという結果を動物実験から導いています(日本アイソトープ協会翻訳版:総括(f))。この数値は、アメリカ科学アカデミーの文献「BEIR-VII」では、3分の2としており、ICRPはそれに比べれば危険性を低めに見積もっていることが、ICRPの2007年勧告日本アイソトープ協会翻訳版(72)に記載されています。そして、危険性を低めに見積もった場合に、年間100mSvの被曝で癌死が0.55%増加するというのが、ICRPの現在の見解です。
しかし、貴殿の通販生活におけるインタビュー(http://www.cataloghouse.co.jp/2012spring/yomimono/yamashita/index1.html)を読みますと、貴殿は、このインタビューがなされた時点では、①100mSv以下の健康被害については科学的には分からない、②放射線防護のうえでは、閾値なしで低線量でも被害が出ると考えるべきである、としつつも、③県民の健康を守るためには、定期的な検査をするほかないと考えていた、と思われます。
※1 http://www.cataloghouse.co.jp/2012spring/yomimono/yamashita/index1.html
そこで、貴殿が現時点でも、年間100mSvの被曝について、①100mSv以下の健康被害については科学的には分からない、②放射線防護のうえでは、閾値なしで低線量でも被害が出ると考えるべきである、としつつも、③県民の健康を守るためには、定期的な検査をするほかないと考えているのか、どうか、明らかにしていただきたい。
①は、明らかに、ICRPの見解とは違っています。これに対し、②はICRPの見解と一致していますが、③については、閾値なしと考える以上、できるだけ被曝を減らすことが重要ではないでしょうか。100mSv以下でも被害が発生する可能性があるということは、10mSvでも被害が発生する可能性があり、その確率は、癌死増加率0.05%ということになります。0.05%をどのように受け止めるかは、各地域・各家庭・各個人で異なるでしょう。なかには、気にしないと言う人もいるでしょう。なかには、自分はよいが、子供にそのリスクは負わせられないと言う人もいるでしょう。選択肢を個々に与えるためには、正確な情報を提供する必要があります。
ことは、健康・命にかかわる問題ですので、4月24日までにご回答されるようお願いいたします。
なお、本書面は、News for the People in Japan(http://www.news-pj.net/)及び当職が運営しているブログ「情報流通促進計画」(http://yamebun.weblogs.jp/my-blog/)にて、公開させていただくととともに、ご回答の状況についても掲載させていただきます。
不一
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■■■以下の3点は、日本、特に東北・関東の保護者必読です。ぜひ、輪読会をしてみてください■■■
「ICRP Publ. 111 日本語版・JRIA暫定翻訳版」(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15092,76,1,html)
「緊急時被ばく状況における人々に対する防護のための委員会勧告の適用(仮題)=109」
(http://www.jrias.or.jp/index.cfm/6,15290,76,1,html)
アメリカ科学アカデミーの文献「BEIR-VII」(Biological Effects of Ionizing Radiation-VII、電離放射線の生物学的影響に関する第7報告)
http://archives.shiminkagaku.org/archives/radi-beir%20public%20new.pdf
◆東電本社の記者会見は、午前11時~正午から、午後6時ごろからの2回となっている。インターネットで生中継と録画配信されている◆
→ ニコ生 http://live.nicovideo.jp/
岩上さんのサイト http://ow.ly/4wCEr
◆東電会見に出席し続けている木野龍逸さんへの支援金の振込先口座は下記のとおりです。
郵便局の振替口座
口座番号は、00100-5-362362
口座名称は、木野龍逸支援の会(キノリュウイチシエンノカイ)
なお、銀行からの場合、
ゆうちょ銀行
〇一九店
当座預金
0362362
にお願いします(できれば郵便局の振替でお願いします)。
【日弁連の東日本大震災・原発事故災害復興支援活動】
→ http://www.nichibenren.or.jp/activity/human/higashinihon_daishinsai.html
●沖縄への連帯ツイッターキャンぺーン●
【ツイッターアカウント】@BarackObama
【メール】→http://www.whitehouse.gov/contactから
【ツイッター例文】
JAPAN IS NOT US'S COLONY! We won't support US BASE. All US BASE OUT! from our country.
Please HELP Okinawa. 75% of the American bases in JP is in the islands, only 0.6% of JP land. Relocate #Futenma base outside.
Marine in Futenma must go back to your country. There is no place where the base of Marine is acceptable in Japan.
Okinawa and a lot of Japanese oppose the transfer of the Futenma base to Henoko
At least180 MPs of ruling parties say NO to Futenma relocation within Okinawa. Check this http://bit.ly/9jQIW8
★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
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